薬物依存症は段階的に進行していく
薬物依存症はステージ1から4まであり、その程度は段階的に進行していきます。
ステージ1:遊び的使用期
薬物依存は一気に進行することはなく段階的に進んでいくのが一般的です。
初めて薬物に手を出す切っ掛けとしては、遊び心や興味本位で始めることがほとんどです。
切っ掛けとなるその多くのケースは、すでに使用している非行仲間や知り合いから勧められて薬物を少し分けてもらうというパターンです。
クスリで気分がよくなることはもちろんですが、若い時はタバコと同じでワルぶるのが楽しい時期があります。
クスリを使用することで、『ワル仲間の一員になった』という連帯感を持ちますが、クスリで気分は高揚するのでさらに一体感を強く感じるようになります。
このステージ1の段階では、たまにしか薬物は使わないし、少ない量でハイになれます。
この時期にクスリをやめるのは、そんなに難しいことではありませんので、周囲が気づいて注意して、本人が危険だと理解すればやめることは容易です。
薬物提供者とのつきあいも、切れる可能性が高いので、この段階でやめられたら、問題はないレベルです。
ステージ2:常習期
違法薬物には強い習慣性があるので、ステージ1は、すぐに終わり、自分から求めてクスリを買うステージ2の常習期に進行します。
常習期になると、クスリはタダではくれませんから自分から売人に連絡を取って、お金を出して買うようになります。
クスリは高いので、その内に万引き、恐喝、売春などクスリ代のためなら手段を選ばなくなります。
女の子が援助交際で得たお金を、ほとんどクスリにつぎこむようになる時期でもあります。
ステージ3:耽溺期
薬物の1回ごとの使用量も増えて、持ち越しの症状も発現してくる段階になります。
持ち越しとは二日酔いみたいなもので、クスリが翌日になっても抜けなくて、体がだるくなる症状です。
だるくなると学校や仕事に行けなくて、欠席・欠勤が目立つようになりますし、気分も変わりやすくなって、ささいなことで怒ったり、被害感を待ったり、抑うつ感が出てきます。
本人は、ものすごく気分が悪いわけで、クスリが切れると、罪悪感や自己嫌悪にドーツとおそわれます。
本人はつらくてたまらないから、クスリを使って、わずかな時間だけでも安らぎを得ようとします。
ステージ4:依存期
その結果、麻薬などの違法薬物を使用する間隔がどんどん短くなって、1回ごとの使用量も増えてきます。
そのうち、クスリなしでは正常な意識を保つことが出来なくなります。
このステージ4:依存期の段階では、『ヤクをくれ!』とわめいたりしますが、注射すると突然落ち着いたりします。
遊びで使い始めたはずのクスリに、完全に支配されてしまうことになります。
違法薬物にハマっていくとどうなるか?
心臓、脳など体中に影響し、突然死も招きますし、妄想、幻覚など中毒性精神病も発症することになり、事故や犯罪も起こしやすくなります。
下記のステージ1からステージ4まで薬物依存が進むと、少量の再使用でも、深刻な状態に戻ります。
クスリをやめた後も、長い間、フラッシュバックなど後遺症に苦しみ違法薬物使用で逮捕されたりする可能性があります。
- ステージ1:遊び的使用期
友人などのすすめで、遊びで使用。 - ステージ2:常習期
自分で高い金を払ってでも、買うようになる。 - ステージ3:耽溺期
クスリが切れると、抑うつ感などにおそわれる。 - ステージ4:依存期
クスリなしでは、正常な意識を保てなくなる。