日本で考案された心療療法で有名なものに森田療法があります。

医科大学の教授であり精神科医でもあった森田正馬が開発した心理療法で、神経症の一種である不安障害に改善効果が期待できるとして、全世界で活用されています。

森田療法とは何か

 本来、人間は自然治癒力を持っていて、その力を発揮できれば肉体的な面でなく精神的な問題も改善することが可能であると森田正馬は考えました。

森田療法では、現実社会に適応することが困難となる次のような神経症が治療の対象となります。

  • 不安神経症
  • 強迫神経症
  • 神経衰弱
  • 対人恐怖

 神経衰弱とは、どういう症候群なのか理解不足の方もいると思いますが、この病は身心共に疲労感や衰弱感を強く感じるのが大きな特徴です。

特に完壁主義者でちょっとしたことでも上手くいかなければ反省することが多く、やたら向上心が強い性格の持ち主が神経症になりやすい傾向にあります。

このような性格傾向の持ち主が、もしトラブルや問題に直面すると、本人の考えの中では「こうあるべきだ」という固執した決めつけがあるので、ありのままの自分を認められなくなり、さらに問題が複雑化したり深くなることが大半です。

その結果、このような偏った思い込みに固執することで感情が負の連鎖を増幅し、本来持っている自然治癒力が発揮できなくなります。

 森田療法は、この負の連鎖を強制的に遮断した上で、神経症であっても自分の現状をありのまま認め、単に心の中で葛藤しているだけでなく、すべきことは体を動かして実行するという意識に転換することで改善しようとする治療法です。

神経症に陥るプロセス

 問題を抱えた場合に神経症に陥るまでのプロセスは次の通りです。

  1. 向上心が高い完璧主義者が陥りやすく、常に自分の理想を抱いています。
  2. 問題が発生すると、理想と現実との間に大きなギャップを感じます。
  3. 自分が直面している現実を受け入れることが出来ず心の中で葛藤が増幅していきます。
  4. その結果不安感がますます増大し、症状が悪化していきます。

森田療法の治療手順

 森田療法は次の4段階で治療を行っていきます。

正式な治療法では40日間の長期入院生活が原則ですが、通院冶療も多くなっています。

また、森田療法が考案された時代は、薬物療法が発達しておらず、薬を用いて治療することが少なかったようですが、今では薬も同時に使用し治療するケースがほとんどです。

段階 入院期間 治療内容
第1段階
臥褥期
1週間

1日中ひたすら寝続けますが、食事や排泄などは許されます。

それ以外の喫煙・会話・読書・スマホ使用など、すべての娯楽や余暇は禁じられます。

隔離状態になるので、最初は不安感が大きくなりますが、逃げずに不安と対峙し、自分の現状をありのままに認めることで本来備わっている活動欲が刺激され湧き上がってきます。

第2段階
軽作業期
3~7日間

寝床で寝て過ごす時間は日に8時間程度に制限されますが、外出や会話は禁止です。

その代わりに樹木を眺めたり庭の清掃をさせます。

他には、日記を付けたり、古典文学である古事記などの音読をさせます。

以上のようなことを実行させることにより、精神活動の自発制を徐々に促していきます。

第3段階
重作業期
1~2週間

会話、交流、散歩、体操、遊びなどの娯楽や余暇は禁止ですが、仕事もしくは業務に関する本を読むことだけは認められます。

その他は、畑作業、庭の手入れ、日曜大工など自由に行わせます。

第4段階
生活訓練期
1~数週間

ここまでの訓練で取り戻した、ありのままの自分を受け入れながら日常生活を営むという環境に適応できるようにするための準備段階になります。

現実社会で復び日常活動するための予行練習として、買い物や外出をすることができ、学校に通学したり会社へ出勤できる場合もあります。

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