無意識とは何か

 自分が心に抱く喜怒哀楽の感情の動きや考え方・行動などについては、普段は自身の意識で認識していることを感じ取っています。

ところが、日頃、理性的に振る舞っている人が、自分の気持ちと逆行した言動や何気なく突拍子もない行動を起こしてしまう場合があります。

 この原因は、意識下にあるいろいろな欲求や衝動が、意識的に自覚していると自分では考えている心の動きに対しても、実は大きく影響を与え突き動かしているからです。

心全体を動かしているのは、実際は無意識の領域にある本能や衝動だというフロイトの理論通りだと考えられます。

 自分の意識では受け入れるのに抵抗感を覚えるような情動や願望を幼児期に経験し、それを無意識の領域へと抑圧した結果、神経症が発症するとフロイトは考えました。

 心的エネルギー(リビドー)というものを意識と無意識の領域から考えると、全体の量的エネルギーは常に一定なので、意識と無意識の領域にあるエネルギーは反比例の関係にあると言えるでしょう。

どちらかの領域が小さくなれば、もう一方の領域は大きくなるという関係にあります。

具体的にいうと、意識の領域にある心的内容を排除してもそれが消えて無くなるわけではなく、無意識の領域にエネルギーとして保たれているので、心全体のエネルギーは量的にいつも同じだということです。

無意識の影響力

 無意識の領域には、本能、欲求、衝動などが閉じ込められており、常に意識に進入してそれらを体現しようとします。

このことが、日常生活下での心の動きや意識、行動に多大な影響を及ぼしています。

心的エネルギー(リビドー)の総量と心の健康度合

心が不健康
欲動が大きい場合、心が抑圧され、負担を感じて心が不健康な状態になります。
  • 意識…小さい
  • 無意識(欲動)…大きい
心が健康
意識できている部分が大きいほど、不安感が減少し心は健康な状態になります。
  • 意識…大きい
  • 無意識(欲動)…小さい

以上のことから、無意識にあるマイナスの心的内容(欲動)を意識に顕在化するプロセスが心理療法ともいえます。

パーソナリティ(性格)構造論とは何か

 フロイトの理論によれば、エス、自我、超自我の3つの構造から人間の性格(パーソナリティ)は成リ立っていると言っています。

エスとは

 人のエネルギーの根源となる原始的な衝動の領域における本能のことをエスといいます。

社会のルールなど現実原則を無視し、本能の充足感や快感をすぐに得ようとする生物学的本能に基づいた無意識の欲求でです。

新生児が衝動的に行動するのは、元来、人は誕生して間もない頃はエスだけを心に持っているからだとフロイトは考えました。

自我とは

 新生児が生まれた後、現実社会と触れ合うことで、様々な干渉や抑制を周りの環境から受け、その過程での体験を通してエスの心的状態から自我が3段階に分化して成長していきます。

自我は現実社会に適応できるように導いていく機能が備わっており、実社会や超自我・エスからの欲動や要求をバランスよく調整し、日常の精神活動を支えていく上で重要な役割を果たしています。

超自我とは

 現実社会での価値観や規律、親の躾などを通じて形成された良心や道徳心のことを超自我といいます。

超自我が果たすべき役割は、工スの本能的衝動を抑圧しつつ、自我の役割である現実的なものに適応させるという機能をより道徳的な方向へ導き、理性や完全性を追求できるようにする機能があります。

心の健康の成熟度とは

 人間は、自我の成熟度が心の健康度合に影響しているといわれており、次の3種類に分類されます。
  • 成熟した自我(意識的)…客観的・現実的
  • 偏った自我(無意識的)…主観的・抑圧的
  • 歪曲した自我(非現実的)…妄想的・否認的
成熟した自我ほど不安や悩みは小さくなります。
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