心理療法の一種である夢分析は、フロイトが考案した技法です。

ユングはフロイトを師としその後、夢分析を発展させていきましたが、そのアプローチの仕方は大きく異なっています。

人類には共通の集合的無意識が存在すると弟子のユングは考えましたが、師匠であるフロイトはこれを否定し、結局この2人は袂を分かち決別しています。

フロイトの夢分析とは

 無意識の領域に抑圧された願望が夢には表れてくるものだとチェコの精神科医であったフロイトは考えました。

その結果、夢に表れた無意識を読み解くことに重きを置いて夢分析が行われることになり、分析は自由連想法により行われます。

 クライエントには寝椅子に寝転がった状態で、見た夢についての内容を詳しく思い起こしてもらい話しを聞いていきます。

前日の行動やクライエントの性格・生育歴・問題点などの情報を含めて、総合的観点から見た夢の意味をカウンセラーは分析していきます。

夢は欲求を隠しているというのが基本的なフロイトの考え方で、潜在意識に隠された思想が形を変えて表れたものが、顕在的な夢の表層に表れた内容だということです。

今までクライエント本人が無意識の内に抱いていた願望に気付いていなかったことを認識させるために、見た夢をカウンセラーが分析し気付かせていきます。

 但し、カウンセラーの経験や力量がクライエントの夢分析結果に大きく影響を与えるので、分析するカウンセラーにより結果が異なる可能性もあります。

なので、フロイトの精神分析療法や夢分析においては、熟達した分析技能と綿密にクライエントの情報を把握し分析を行うことが求められます。

よって、雑誌などで興味本位で掲載されているような分析はするべきではありません。

フロイトの夢分析(自由連想法)の流れ

  1. カウンセラーはクライエントに対し、見た夢について自由に好きなように連想してほしいと誘導する。
  2. カウンセラーはクライエントの性格、育成歴、悩み、問題、前日体験などの情報を認識し理解する。
  3. 自由連想した内容にクライエント情報を加味し解釈する。
  4. 無意識の願望などを表す夢の意味を分析する。

ユングの夢分析とは

 スイスの精神科医であったユングはフロイトとは違い、夢は欲求を隠しているのではなく、夢は欲求を教えてくれるものだと考えました。

何かを隠そうという意図は夢には無く、心の自然現象として夢に表れているので、夢に従い連想をより膨らませることにより、夢が伝えようとする意味がそこから読み取れるのだと考えました。

 まず、自分が見た夢をどう感じたかをカウンセラーはクライエントに連想させるようにします。

連想が出にくい場合は、おとぎ話や神話などの類似テーマを利用し、クライエントが連想しやすいようにカウンセラーが援助します。

夢の背景に存在する無意識領域にある状態を明らかにするため、クライエントとカウンセラーは互いに協力し、個人的なクライエントの連想を夢の細かい部分に渡って付け足していきます。

夢自体を解釈するのではなく、イメージを感じることでクライエントが持つ治癒力をより活性化していきます。

 このように、ユングはフロイトとは違い、無意識からのメッセージであるとして夢のイメージ自体を重視しました。

フロイトの夢分析は自由連想法と呼ばれていましたが、ユングの夢分析法は拡充法と呼ばれる方法です。、

ユングは心理療法が的確に行われていくと、夢の内容にその効果が反映されるものだと確信していたので、ユングの心理療法の中でも夢分析は中心的な技法として活用されていました。

 人の精神領域に存在する無意識を理解し受容していくことで治療が可能になり、心の問題や悩みを解消していくことが可能になるという考えに基づいているのが、違いはありますがフロイトとユングの夢分析だと言えます。

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