欲求不満と防衛(適応)機制とは何か

 人が欲求不満状態になる原因は、自分の抱く欲求が達成できない場合ですが、その欲求不満状態を解消する為に、人は様々な態度や行動を取ります。

このような行動を起こすメカニズムを防衛(適応)機制といいます。

防衛(適応)機制の種類と行動

フロイトは、この防衛(適応)機制の種類と方法(行動)には次のようなものを挙げています。

1.抑圧:
 心理的安定を図る為に受け入れがたい苦痛な経験を無意識下に閉じ込める。
  • 上司への憎しみや性的衝動を押さえ込み、夢を見る。
  • 言い間違いをよくする。
2.同一化:
 実現している他のものと欲求を実現できない自分とを同一とみなす。
  • 憧れのサッカー還手やタレントやモデルに自分を重ね合わせ、態度や振る舞いなどをまねる。
3.代償:
 本来の目標が達成できない場合、満足を代わりに与えてくれる別の目標に向かう。
  • 本来目指す大学合格が難しい場合、別の大学を受験する。
4.補償:
 自分が持っている長所を伸ばして、欠点を克服し他人に勝ろうとする。
  • 学生で勉強が苦手な場合、スポーツで好成績を収める。
5.合理化:
 社会的に認められている理由で、自分の失敗や恥の理由を正当化する。
  • 入学試験で不合格になった学校に対し「あの学校は裏□入学で問題になったところだから合格せずによかった」と納得する。
6.投射:
 他に責任があるかのように強調し、失敗の原因が自分にあることを覆い隠す。
  • 教え方や採点法が悪いから試験に失敗したと教師を攻撃する。
7.逃避:
 病気などになり困難な状況から逃げ出す。
  • 会社や学校に行くのが嫌なので、頭痛や腹痛などの病気や家庭内の不幸などのせいにして休む。
8.退行:
 未熟な年齢の行動に戻ろうとする。
  • 夜尿、指しゃぶりをする、ホームシックなどになる。
  • 実際の年齢よりも年下の行動をとる。
9.昇華:
 高く社会的に評価されているものに代えて表現する。
  • 離婚や失恋後、元の伴侶や恋人との関係を小説や絵で表現して満足する。

コンプレックスとは

 心理学ではコンプレックスという言葉は、心的複合体を意味します。

心的複合体とは、様々な感情によって統合された心の状態をいいます。

ですが、一般的には、コンプレックスと劣等感は同じような意味合いで使用されており、例えば、「足が短いことがコンプレックスだ」、「バストが小さいことがコンプレックスだ」というような使われ方をしている場合が多くあります。

この原因は、劣等感の補償というアドラーの考え方が影響しているように思われます。

 例を挙げると、学校の成績が悪い子は、勉強に対して劣等感をもっていますが、それを解消するためには2つの方法があります。
  • 更にがんばって勉強し成績をアップさせること
  • スポーツなどで能力を発揮し劣等感を補うこと

以上のような方法で劣等感を補償することができます。

 これに対し、フロイトは、嫌悪感や苦痛を引き起こす原因となる無意識下に抑圧された個人的な感情や衝動を指すものがコンプレックスだと考えました。

フロイトの代表的なコンプレックス理論が、エディプス・コンプレックスと言われるものです。

これは、異性の親に対して、子供が同性の親へ抱く心の葛藤を説いた理論です。

考案者

アドラー

フロイト

理論 劣等感の補償 エディプス・コンプレックス
例題 学生:
勉強が苦手。
学校の成績が悪い。
3~6歳の男子:
母親が好きで独占したい。
母親を父親に取られそうで父親が嫌い・憎い。
コンプレックス
解消方法
1.努力して勉強したので成績がアップした。

2.勉強は苦手だがスポーツで実績を上げた。

僕もお父さんのようになれるよう頑張ろう。
コンプレックス
解消失敗
やっぱりお父さんは嫌いだ。
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